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更新日 2021-02-06 | 作成日 2011-06-01

段階的に成果を得る

拙著「文章題・入試で差がつく56題」の中で、付録として「確実に成績を上げるための学習効率化のポイント」という記事(全12ページ)を書いています。

その中で、次のような内容を書きました。
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大切なのは「現実(合格可能性)を受け止めて、冷静に対策を考える」ということです。特に厳しい状況の場合、現実を受け止めることを拒絶したり、現実を受け止めても極端な対策にはしってしまう親御さんが少なくありません。

実際、厳しい状況から逆転合格を果たす受験生もいますが、その多くの親御さんには「現実が厳しいことを認める」「最終的に届かない可能性があることを理解する」「合格可能性を上げるための方法を冷静に考える」「その方法を実践して段階的に成果を得ようとする」といった共通点があります。
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特に最後の「段階的に成果を得る」というのは大切で、成果が出ない受験生は「一気に成果を得ようとする→(思っていたような)成果が出ない→焦る→一気に成果を得ようとする→・・・」という悪循環に陥る傾向があります。

例えば算数の問題集を解いて、100問中 10問しか解けなかった場合に、親御さんが「全然できていない!」と焦る→残り90問を一気に仕上げようとする→思ったように仕上がらない→親御さんが焦る→・・・といったことは、よくあります。

同じ状況でも「段階的に成果を得る」という意識があれば、例えば次のような方法が考えられます。

(1)残りの(自力で解けていない)問題の解説を読み、理解できる→○、何となくわかる→△、理解できない→×の印をつける。
(2)○の問題のみ、自力で解き直しをしてみる。
(3)△の問題は、解説を見ながら、手を動かして確認する。
(4)×の問題は、先送りにする。(手をつけない)
(5)(1)に戻る。

(×の問題はずっと残るのではないかと思われるかもしれませんが、○が増えて理解のレベルが上がると、今まで理解できなかった部分が理解しやすくなりますので、×は自然に減っていくことが多いです。)

このような方法を実践すれば、解ける問題数が、10問→30問→45問→・・・というように段階的に増えていきます。

余談ですが、高校時代、同級生で英語の単語集を無理に覚えず、眺めるようにしているという人がいました。

理由は、
・眺めているだけでも2、3割は自然に覚えられる
・残った単語だけを改めて覚えていくが、一度、眺めているので少しは取っ掛かりがあり、覚えやすい
・・・ということだったと思います。

私は「中学への算数」等の進め方について、受験生の状況によっては「無理に解かずに、解説を読んでいくだけでもいい」と伝えることがありますが、根底にある「段階的に成果を得る方法」という意味では、似ているのかもしれません。

成果が出なくて焦っている受験生・親御さんは、段階的に成果を得るということも意識されてみてはいかがでしょうか。


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