計算の「スピード」が大切な理由
一般的に「計算力」といえば「計算ミスをする・しない」という「計算の正確さ」について語られることが多いのですが、それと同じくらい大切なのは「計算のスピード」です。
計算力には「正確さ」と「スピード」という2つの要素があります。この内、テストでの得点力に直結するのは「正確さ」です。計算問題でミスをしたり、文章題や図形問題で解法は合っているのに計算ミスをして不正解になる、という経験はほとんどの受験生がします。このようなテストでの失点が目立つ場合に「計算力を鍛えないといけない」となることが多いのですが、ここでいう「計算力」は「正確に計算する」という意味であることがほとんどです。
ただ、普段の学習においては「正確さ」以上に「スピード」が大きな意味を持ちます。得点力に直結するのが「正確さ」なら、学習効率に直結するのは「スピード」だと言えます。
「スピード」が速い場合の最大のメリットは「量をこなせる」ということです。平均的な計算スピードの受験生が文章題や図形問題等を10問解いている間に、スピードの遅い受験生は5問しか進まず、スピードの速い受験生は15問進んだりします。短期で見ればそこまでの差はつきませんが、これが半年、1年と続けば、もともとは同じ実力だった受験生の間に逆転不可能な差がつきます。
現在、指導している受験生でもスピードの大切さを実感することがありました。この生徒さんは、もともと算数が得意になれる力は持っていたのですが、計算力がネックになっていました。そこで、数ヶ月間、計算力強化に力を入れたところ、計算力、特にスピードが大幅に上がりました。
2時間の授業で、数ヶ月前は20問程度しか進まなかったのですが、最近では安定して60問程度、進むようになりました。内容に関する実力も上がっているので、一概に計算力だけの成果とは言い切れませんが、計算のスピードが以前のままであったなら、ここまでの変化はなかったはずです。
多くの受験生は日常的に計算練習を行っていますが、十分な効果を実感できていないようでしたら、得点力を上げるための「正確さ」、学習効率を上げるための「スピード」を(それぞれ)鍛えるという意識を持って取り組んでみてはいかがでしょうか。
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