リミットが早まっている
中学受験指導をしていて感じるのは、リミットが少しずつ早まっている、ということです。(リミットというのは、いつまでにこれをやれば合格できるという目安となる期限です。)
わかりやすい例でいえば、30年前なら6年生から受験勉強を始めて灘、開成といった最難関校に合格する受験生も珍しくありませんでしたが、今ではまず無理でしょう。
同様に、30年前なら5年生から受験勉強を始めるのが平均的でしたが、今では3、4年生から始めるのが平均的(難関校受験の場合は、4年生でも遅い方になります)で、5年生から始めるとなると、その時点で大きなハンディを背負ってしまいます。そして6年生からとなると、中堅校を目指すこともかなり難しくなります。
難関校受験生が「中学への算数」(中数)を開始する時期についても、リミットは早まっています。7、8年前は中数自体が今ほど普及しておらず、6年生後半から開始しても十分なアドバンテージが得られましたが、今では6年生前半から開始する受験生が多くなっています。
さらに6年生前半から中数を始めるためには、その前段階の学習(「プラスワン問題集」等)を5年生後半に行う必要があり、さらにそのためには5年生前半に基礎固めが完了しておく必要があります。
7、8年前なら基礎固めを5年生後半までかけて行い、それから難関校対策を始めても間に合うことが多かったのですが、今では少し苦しいかもしれません。
中堅校についても同様のことが言えます。7、8年前までは「四科のまとめ」レベルの内容を仕上げれば対応できていた学校が、今では「プラスワン問題集」レベルの内容を習得しておかなければ対応しきれなくなっているということが少なくありません。
かと言って「四科のまとめ」が十分に定着していない状態で焦って「プラスワン問題集」に取り組み、断片的に解ける問題が増えても、体系的な実力は身につきません。「プラスワン問題集」を行うためには、それだけ早く「四科のまとめ」レベルの内容を仕上げておく必要があります。
これから受験される方は、「リミットが早まっている」ことを見越した上で、そこから逆算して「早め、早めの計画」を立て、実践することを意識されてみてはいかがでしょうか。
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