予習中心に切り替えれば驚くほど伸びることがある
受験勉強の本では「予習より復習に力を入れる方が効果的」と書かれていることがあります。下手に予習をしても時間がかかる割に身にならない、復習の方が(授業を受けて)既に理解している内容なので、短時間で効率的に吸収できる、というわけです。確かに復習に力を入れれば、確実に成果を出すことができます。
しかし私は、算数や数学に関しては、復習より予習に力を入れることをおすすめします。予習に力を入れることで、非常に大きな成果が出ることが少なくない(当たれば大きい)からです。
私が予習の効果を実感したのは、高校時代のことです。私は高校2年生まで数学の成績が極端に悪く、授業を受けていても、ほとんど何も理解できていませんでした。さすがに3年生になって不安になり、とりあえず数学の成績の良い人の勉強法を真似ようと思い、観察してみました。
そこで初めて気づいたのですが、私の周りで成績が良かった人は、学校の授業よりも常に数週間から数ヶ月分、先の内容を行っていたのです。
さっそく私も同じことをしようと思ったのですが、やはり実力不足のために、先を進めようと思っても(わからない所だらけで)なかなか進みません。それでも、とりあえずわかる部分だけ行うようにしました。すると、授業の内容が少しずつですが、理解できるようになってきました。
授業内容が少し理解できるようになると、予習をしていてもわかる部分が増えて、以前よりも進むようになりました。
そして予習が進むと、授業内容がもっと理解できるようになる・・・という感じになり、最終的には、すべての内容を予習してから授業に臨み、授業の中で理解できるようになりました。言ってみれば「授業が復習」のような状態です。
予習に力を入れるようになって、何より良かったのは、授業を受けるのが楽しくなったことです。また、授業中に大体の内容は理解できていたので、家に帰ってからは特に復習する必要がなく、予習に専念することができました。
塾講師として中学受験の算数を指導するようになってからも、私が担当した生徒には、とりあえず予習中心に進めてもらうようにしました。すると、成果が出る子もいれば、それほど出ない子もいたのですが、中には驚くほど大きな成果が出る子もいました。
特にもともと潜在能力が高い子の場合、復習中心に勉強していた時は普通の成績だったのが、予習中心に切り替えたとたんに、急に成績が伸びる傾向があるように感じました。
予習に力を入れれば 100%の確率で成績が伸びる、というわけではありませんが、成功した時の伸び幅を考えると、試してみる価値は十分にあるのではないかと思います。
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