教材を「潤滑油」として使用する
英語の苦手な高校生が長文問題を学習していて、1行に2、3個の割合で知らない単語が出てくるのであれば、長文の学習を一時的に中断して、単語集を集中的に仕上げる方が効率的です。知らない単語が1行に2、3個も出てくる状態では、辞書を使用するにしても、例えば10行で20、30回も調べる作業が必要になり、時間のロスがあまりにも大きくなります。
単語集を仕上げるのに1ヶ月かかったとして、それで知らない単語が2、3行に1個の割合になれば、辞書で調べる回数が減るだけでなく、英文を読む時のリズムも圧倒的に良くなります。結果的に、単語集は潤滑油のような役割を果たしてくれます。
中学受験算数でも、教材を潤滑油として使用することで、学習効率や学習効果を大きく改善できることが多々あります。例えば、難関校受験生の多くが「中学への算数」(以下「中数」)を使用しますが、最初から中数に直行する受験生もいれば、中数の前に「プラスワン問題集」「ステップアップ演習」(以下「プラスワン」「ステップアップ」)を仕上げる受験生もいます。
プラスワン、ステップアップを仕上げるには数ヶ月の期間が必要になりますが、両教材で基盤を作ることにより、中数を進める時の吸収率とスピードが大きく変わります。プラスワン、ステップアップは、最新の入試傾向には対応していないため、直前期に「最後の仕上げ」として使用するという目的には向いていませんが、中数のための潤滑油としては最適な教材です。
ここでは難関校対策の教材を例に挙げましたが、他にも潤滑油として効果的な教材使用例は多くあります。中学受験に限らず大学受験でも、最終的に難関校に合格する受験生は、直接に得られる成果だけを意識するのでなく、潤滑油的な効果も計算して教材を使用する傾向があります。
現状に行き詰まりを感じている方は、潤滑油としての効果という視点から、教材の使用法等を見直してみてはいかがでしょうか。
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