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更新日 2017-09-16 | 作成日 2011-06-01

数値を正しく扱う

親御さんの多くは、受験生の状況を「大雑把な印象」で判断してしまう傾向があります。一方で、数値を正しく扱うことで受験生の状況を慎重に分析する親御さんもおられます。

「大雑把な印象」で多いのは、苦手分野に関する判断です。例えば、模試で「速さ」の大問を丸々落としたのを見て「速さが全然できない」と慌ててしまうような感じです。

実際には、解法はすべて正しかったけれど(1)で計算ミスがあり、(2)(3)は(1)の結果を使うため連鎖的に不正解になるという場合があります。つまり課題は「理解不足」ではなく「不用意なミス」の方だということになります。

さらに正答率が(1)60%、(2)10%、(3)5%だとすれば、(2)(3)の解法を把握していたという意味で、速さは苦手であるどころか、むしろ得意である可能性が高いと言えます。

これが学校別模試で、受験者数が800名、合格ラインが200位だとすると、上位25%に入っていれば合格という計算になります。そして単純に考えれば、正答率25%以上の(1)を取れればよく、25%未満の(2)(3)は捨てても構わない問題です。

ミスは多くの場合、時間配分の失敗(もう少し時間をかけて、慎重に処理すれば防げた)が原因になっています。時間配分を失敗した原因は、単純に不注意によるものかもしれませんし、他の問題で時間をロスしたことによる「しわ寄せ」かもしれません。

同じ状況を見て、大半の親御さんが「速さの理解不足」と判断してしまうところを、数値を正しく扱える親御さんは「理解不足ではない→不用意なミス→時間配分の失敗」という流れで、実は時間配分の意識(または技術)に課題があるのではないかという判断に行きつきます。

「速さが苦手分野だ」と判断した親御さんは、この受験生に「弱点克服のために、速さの基本問題を集中的に解く」という指示を出すかもしれません。一方で「時間配分に課題がある」と判断した親御さんは、受験生に分析内容を伝えた上で、時間配分についての具体的なアドバイスをしたり、そのための対策を普段の学習の中に組み込むかもしれません。どちらが受験生にとって有益であるかは、言うまでもないでしょう。

「数値を正しく扱う」というと難しく感じるかもしれませんが、そういう発想を持つだけでも、冷静な判断がしやすくなります。これまで印象で判断する傾向のあった方は、このような意識を持ってみると良いかもしれません。