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更新日 2017-09-16 | 作成日 2011-06-01

安全なA判定と危険なA判定

学校別模試において、同じA判定(合格確実圏)でも「安全
なA判定」と「危険なA判定」があると、私は考えています。

たとえば少し極端な例ですが、次の2人の受験生(どちらも
A判定)がいたとします。

(ア)算+10、国+10、理+10、社+10、総合+40
(イ)算+40、国+10、理- 5、社- 5、総合+40

(各科目の数字は、合格ラインの得点に対する「貯金状況」
を表します。たとえば、その学校の合格基準偏差値が60で、
それに該当する算数の得点が70点、自分の得点が80点の場合
は「+10」とします。)

総合点を見れば2人とも余裕がありますが、上の方法で分類
すれば(ア)は「安全なA判定」、(イ)は「危険なA判定」
ということになります。

理由は、理科・社会は得点の変動が小さい科目であるのに対
して、算数・国語(特に算数)は得点の変動が大きく、常に
模試と同じだけの「貯金」が作れるとは限らないからです。

もちろん、多くの学校では算数・国語の配点の方が理科・社
会より高く、(イ)のように算数が上手く行けば理科・社会
の穴は十分にカバーできます。また、算数が弱ければ、理科
・社会のように「- 5」といった、小さなマイナスでは済ま
なくなります。「合否に最も影響を与える科目」は、一般的
に言われている通り、やはり算数ということになります。

ただ、総合点(判定)が良いと、その時点で安心してしまい
がちですが、各科目の状況によっては、必ずしもその結果が
信用できないこともあります。特に(イ)のように「貯金」
のほとんどを算数で作っている場合は、本番ではその貯金が
十分に作れなかったことを想定して、理科・社会を強化して
おく必要があります。

実際、私が中学受験をした時にも、このことを経験しました。
当時、通っていた塾(浜学園)から「合格可能性は90%以上」
と言われ、模試でも総合点(3科目入試、500点満点)で30、
40点の貯金があったのですが、後から冷静に考えれば、その
貯金は算数だけによるもので、算数がなければ(総合点は)
マイナスになる、という状況でした。本番では算数が不振で、
ほとんど貯金は作れず、総合点でかろうじて引っかかったと
いう感じでした。

こういうことは、頭では理解していても、またプロの指導者
であっても、対応が難しいところです。たとえば、担当して
いる生徒が6年生の11、12月に(イ)の状態になった場合、
理想的な(ア)の状態に近づけるために、算数の勉強時間を
減らし、その分の時間を理科・社会に集中させるという方法
も考えられます。

しかし、そうすることによって、必ず総合点が上がるという
保証はありません。理科・社会は上がるかもしれませんが、
それ以上に算数が下がる可能性もあります。それは、単純に
「総合点が下がる」というだけでなく、「得意なはずの算数
が出来なくなってきた」という不安を抱えた状態で、入試を
迎えることになります。今まで通りに勉強して(イ)の状態
を維持する方が、ある意味では、安全なのかもしれません。

ここでは学校別模試を例に挙げましたが、他の模試、過去問
等でも、同じようなことが言えます。総合点が良いと、理科、
社会の「穴」は目立ちにくくなりますが、冷静に状況を分析
することも必要です。


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